この記事では、『仕事が原因で適応障害の診断を受けた方』や『仕事の上司や環境で適応障害かも?』と悩んでいる方に向けて
まずは、どうすればいいのか?適応障害について詳しく知りたい!適応障害と診断された時の仕事との向き合い方!
について、精神の就労支援のプロである私が詳しく解説していきます。
適応障害になると、憂鬱な気分が続いたり、集中力や意欲が低下することで仕事でミスをすることが多くなります。
また、体の不調により、遅刻や欠勤が増えることもあります。
情緒的に不安定になることもあるため、今までスムーズにいっていた人間関係で問題を起こすことも考えられます。
適応障害の原因となっていることが仕事であれば、働くことが怖くなることもあるでしょう。
適応障害では、不安感や恐怖感を抱く方もおられます。
ストレスとなっている仕事に対して「怖い」という感情が出ることもあります。
など、何に対して恐怖を感じるかは人それぞれかもしれませんが、強い恐怖を感じるようになれば、医療機関を受診することを推奨します。
仕事中に現れる症状には、以下のようなものがあります。
このような症状が続く場合は、
周囲に相談したり、医療機関へ相談するのがよいでしょう。
適応障害であるのに治療をせずに働き続けた場合、症状が悪化してしまう可能性があります。
症状が悪化すると、それを治すのにも時間がかかります。
また、うつ病など別の疾患へ移行してしまうケースもあります。
治療をせずに働き続けることにより、仕事の効率が落ちたり、ミスが多くなったり、今までと同じように業務をこなすことが難しくなる場合があります。
そうなることで、自分を責めてしまったり、職場から指導をされたり評価が下がってしまうこともあるでしょう。
適応障害を発症する方の中には、必要以上に頑張りすぎてしまう傾向のある方もおられます。
頑張ることはいいことですが、一度自分の心身の状況を見つめなおし、休養をとることも時には必要になるのではないでしょうか。
適応障害の症状で、上司が怖くなるという方もおられます。
「自分のことをどう思っているんだろう」「どんなふうに評価されているんだろう」「怒られるのではないか」「不安から話しかけにくい」
など、上司に対し色々な感情が現れることがあります。
会社において、上司は自分を評価したり指導したりする立場にありますので
適応障害の症状で、そのような方に対し怖いという気持ちを持ってしまうこともあります。
適応障害とは、なんらかのストレスが原因で「気分の落ち込み」や「不眠、意欲低下」や「抑うつ症状」など、うつ病に似た症状が出る疾患となります。
適応障害は、仕事や日常生活のストレスが主な原因のため、この社会において誰でも引き起こす可能性のある、疾患となります。
本来であれば日常生活・社会生活での出来事のストレスに対して、適切に自分の中で適応できていた状態から
この状態になることで、さまざまな症状を引き起こし「不適応な状態が生じる」状態が適応障害といえます。
適応障害は、ストレスの原因となる出来事から
アメリカの診断基準であるDSM-5では、3ヶ月以内(ICD-10では1ヶ月以内)に症状が出現し、
ストレスとなる要因が解消された場合には、通常6ヶ月以内に症状は消失すると言われています。
症状としては、以下のようなものが挙げられます。
精神的な症状
抑うつ、不安、イライラ、無力感、焦燥感、集中力の低下、意欲の低下、神経過敏、赤ちゃん返り など
身体的な症状
不眠、倦怠感、食欲低下、動悸、過呼吸、頭痛、腹痛、吐き気、涙が止まらない など
行動面の変化
無断欠勤、無断遅刻、過度な飲酒、ギャンブル、喧嘩、浪費 など
適応障害は、うつ病とは違い、適応障害を発症することとなったストレス要因が明確にわかっていること(必ず原因のストレスが存在する)が特徴です。
また、適応障害はストレスとなる出来事が解消されれば症状は治まりますが、うつ病はストレス要因が解消されても症状は続きます。
適応障害では原因となったストレスから離れれば症状が改善されるため、
例えば仕事がストレスとなっている方は、出勤日は気分の落ち込みがあっても、休日は問題なく過ごせるという方がほとんどです。
それに対し、うつ病の方は環境が変わっても抑うつ状態が続き、
何も楽しむことができなくなったり、今まで好きだったものから興味を失ってしまいます。
適応障害の原因は、生活環境や人間関係など様々です。
など、様々なことがストレス要因となります。
中でも当校にご相談いただく方では、
特に職場の人間関係が原因のケースが多く見受けられます。
適応障害になりやすい人の特徴としては、以下のようなものがあります。
このような方は、ストレスを抱えやすく、適応障害になりやすいと言われています。
ただし、この特徴に当てはまっているから必ず適応障害になるわけではありませんし、
当てはまらなくても、強いストレスがかかれば適応障害になることは十分にあり得ます。
適応障害になった場合に仕事をどうするかについてですが、こちらはその方の症状や精神的なつらさによると思います。
自分のストレス発散方法を身につけたり考え方の癖を変えたり、環境調整をすることで仕事を続けていける方もおられます。
周囲の理解を得たり、無理をしないことで仕事を続けていける場合もあります。
しかし、仕事を続けていくのが難しい体調である場合は、無理して仕事を続けるのではなく、一度休むのがよいのではないでしょうか。
特に、仕事が適応障害の原因となっているのであれば、一度離れて休養することを推奨します。
ストレスが仕事にある場合、仕事に行きたくないと思うのは当然のことです。
これは症状であり、決して甘えではありません。
対処法としては、
というような選択肢があるかと思います。
いずれにしても、専門家に相談することが重要です。
精神科や心療内科を受診し、相談してみましょう。
もしも、長期の休養が必要と判断された場合は、休職の診断書を作成されることもあります。
もしも職場に、産業医や産業カウンセラーなどがいる場合は、その方たちに相談するという手があります。
産業医とは、職場において健康で快適な作業環境のもとで仕事を進めることができるように、専門的な立場から指導や助言する医師のことです。
常時50人以上の労働者がいる職場では、必ず産業医の選任が義務づけられています。
産業カウンセラーとは、仕事や職場の人間関係などから生じるストレスについてのカウンセリングを行なったり、
キャリアに関する相談を受けたり、人間関係や職場環境を改善するように働きかける仕事をする人です。
直接上司には言いにくい…という方も、産業医や産業カウンセラーになら話しやすいかもしれません。
相談の結果、ストレス要因となっている事柄について働きかけてくれる可能性があります。
例えば、業務量がストレスとなっているのであれば、
自分のできる範囲の業務に変更してくれたり、人間関係がストレスとなっているのであれば、
話を聞いてくれたり関わる時間を減らすように働きかけてくれるかもしれません。
相談の結果、良い方向に進むことも多いのではないでしょうか。
解決策がすぐに思い浮かばない場合でも、一緒にどうしていけばいいか考えてくれる人がいることは心強いことだと思います。
産業医や産業カウンセラーがいらっしゃらない職場では、家族や友人、医療機関でもよいので、一度相談しやすい相手に相談をすることをおすすめします。
とにかくしんどくて、一刻も早く今の職場から離れたいという方は、休職せずにそのまま退職するという方法もあります。
今の職場がどうしても耐え難い場合は、新しい環境で働くことも解決策のひとつです。
休職をすると傷病手当金がもらえますので、退職するとしても一度休職を挟み、傷病手当金をもらいながら生活をする方が経済的にはよいかもしれませんが、
少しの間でも職場と関わるのはもう嫌だという方も中にはおられるかもしれません。
もしも休職ができそうであれば、すぐに退職を決める前に一旦休職することをおすすめしますが、
ご自身の心身の状況を見ながらどうするか決めていくのがよいでしょう。
余裕があれば、次の職場を決めてから退職すると安心かもしれません。
適応障害に向いている仕事ってなんだろう?と、仕事選びに苦戦する方も中にはいらっしゃるかもしれません。
適応障害の方に向いている仕事がどのようなものなのか?
以下で解説を行います。
まずは、適応障害を発症した状況を避けることが一番です。
同じような環境や状況下では、また適応障害を発症してしまう、あるいは症状が悪化するでしょう。
そのために、自分がどんなことでストレスを感じていたのか分析しましょう。
ひとりで考えることが難しい場合は、医師やカウンセラー、支援機関の職員などと一緒に考えていきましょう。
在宅でできる仕事や、ある程度柔軟性のある仕事も向いているでしょう。
職場ではなく、自宅という慣れた環境で仕事をする方が力を発揮できる方もおられます。
また、通勤時間がないことで、ストレスを減らすこともできます。
ただし、家庭環境やご家族関係でストレスを抱えている方は、場合によっては在宅勤務でない方がよいかもしれません。
また、最近ではフレキシブルな職場も増えてきています。
フレックス制度という言葉を耳にする機会もあると思います。
フレックスタイム制とは、就業規則などで定められた総労働時間の中で、労働者が始業時間や終業時間を自由に決めることができる制度になります。
朝がしんどい方は、遅く出勤したり、今日は少ししんどいなというときは早めに退勤することができます。
ただし、自由に時間を決められる分、時間の管理が重要となります。
周囲と協力しながら行う仕事が苦手な方には、ひとりで黙々と行える仕事が向いているでしょう。
適応障害の方は、人間関係で悩む方もとても多いです。
あまり人と関わらずにすむような仕事に就けば、自分のペースで仕事を進めていくことができるでしょう。
また、プレッシャーの少ない仕事を選ぶことも重要です。
責任のあるポジションやプレッシャーがかかりすぎる仕事では、多くのストレスを抱えてしまうことになります。
適応障害はいかにストレス要因から離れるかが重要です。
自分のストレスとなりそうなことは避けて仕事を選ぶようにしましょう。
向いている仕事を選ぶには、まずは自分のことを知ることが大切です。
同じ適応障害でも、どんなことが苦手で、どんなことがストレスになるかは違います。
そのため、自分自身のことを分析していくことが大切となってきます。
例えば、働いていたときにどんなことがつらかったのか洗い出してみましょう。
箇条書きで構いませんので、「この業務がしんどかった」、「こういう人と関わるのがしんどかった」、「こういう環境がつらかった」など、ひとつひとつ整理してみましょう。
例としていくつか挙げると、
など。
自分がどのようなことにストレスを感じるのかがわかったら、それらを避けた職場を選ぶのがよいでしょう。
ただし、全くストレスがない職場というのもないと思いますので、それらのストレスに対してどのように自分で対処するかを考えていくのも大切となります。
適応障害の方が仕事を続けるためのポイントとしては、以下のようなものがあります。
また、休職や転職のタイミングも重要になります。
それぞれひとつずつ解説を行いますのでご覧ください。
まずは自分自身の適応障害の症状を理解しましょう。
これらを理解することが重要です。
これらがわからなければ、対策を立てることもできません。
まずは自分の症状を知ることを心がけましょう。
自分の症状などがわかったら、次は対応を考えていきましょう。
自分の考え方や物事の捉え方に偏りがあり、精神的につらくなる場合は、それを改善するのが効果的です。
カウンセリングや認知行動療法などを試し、自分自身の考え方と向き合うのがよいでしょう。
考え方を変えるのはとても時間がかかると思います。
苦しい作業になることもあるかもしれませんが、新しい考え方や自分が楽になれる考え方を身につけることで、とても生活しやすくなると思います。
不安感や恐怖感が強い場合は、薬の力を借りるのもよいでしょう。
医療機関で相談していただき、医師が必要と判断すれば、適切な薬を処方してくれます。
適応障害が改善すれば、減薬することもできます。
一度薬を飲み始めても、良くなれば治療を終了できます。
薬に抵抗がある方もおられるかもしれませんが、自分の気持ちを楽にする方法のひとつとして検討してみてください。
職場の環境調整も重要なポイントとなってきます。
仕事が原因で適応障害を発症した方にとっては特に重要です。
業務量の調整や、業務の変更、部署移動などを行ってもらえないか職場に相談してみましょう。
ストレスの原因から離れることができるよう、上司や人事の担当者などに相談します。
心身の負担が大きい業務や人間関係から離れるようにしましょう。
就労移行支援事業所を使い、サポートを受けながら復職、転職を目指すのもおすすめです。
などというような方には、就労移行支援事業所の利用をおすすめします。
就労移行支援事業所では、就職に必要なスキルの習得や、自己分析、就職活動のサポート、職場定着の支援などを行います。
専門スキルを持った職員がいますので、安心して利用することができます。
就労移行支援事業所は、事業所によって力を入れているプログラムが異なります。
見学や体験は随時受け付けている事業所がほとんどなので、興味のある方は一度雰囲気だけでも見に行ってみてもよいかもしれません。
WithYouでも常に見学や体験を受け付けておりますので、是非一度ご相談ください♪
現在休職されている方で、職場復帰を考えておられる方は、リワークプログラムを利用するのがおすすめです。
WithYouでもリワークプログラムを行っています。
リワークは、行われている機関によって、それぞれ特徴があります。
医療機関でのリワーク
医療機関で行われるリワークになります。
病状の回復や安定を図り、職場に復帰し働き続けることができるように支援を行います。
精神医療の専門家が行うリハビリを受けることができるため、症状がなかなか安定していないという方にはおすすめかもしれません。
自立支援医療を利用されている方は、1割負担で利用することができます。
地域障害者職業センターでのリワーク
職リハリワークとも呼ばれています。
医療機関とは違い、病状を回復させるものではないという点にご注意ください。公的なサービスのため、費用は無料で利用することができます。
公務員の方は利用することができないのでご注意ください。
民間の福祉施設のリワーク
就労移行支援事業所などでもリワーク支援を行っている支援機関がります。
事業所に通所をすることで生活リズムを整えたり、就労に役立つスキルを身につけたり、コミュニケーションスキルやビジネススキルを学ぶことができます。
もちろんストレス要因の分析も一緒に行ってくれます。
症状が長く続いていたり、症状が強い場合は、休職や転職を視野に入れるのもよいでしょう。
無理をして仕事を続けていると、より症状が悪化してしまう可能性があります。
そのため、一度職場を離れ休養をとるために休職したり、新しい環境で働くために転職するのもよいと思われます。
休職をする際は、医師の診断書が必要になるケースがほとんどですので、通院先で休職したい旨を伝えていただき、医師が休養が必要と判断すれば、診断書を発行してくれます。
その診断書を持参し、上司に休職したいことを伝えましょう。
適応障害の方が利用できるサポート機関としては以下のようなものがあります。
ひとりで抱え込むのではなく、ぜひ色々なところを頼りながら、自分の心身の状態を安定させていってください。
ハローワークでは、求人の検索だけでなく、職場選びの相談や応募書類の添削、面接対策などを行っています。
これから就職、転職を目指したいと思っておられる方に関しては、ぜひ窓口の利用をおすすめします。
また、就労移行支援事業所の利用もおすすめです。
専門的な知識を持った職員が利用者をサポートいたします。
就労移行支援事業所は、障害者手帳を持っていなくても医師の診断書や意見書で利用することが可能です。
これから仕事を探す方は、転職エージェントの利用を検討してもよいでしょう。
担当の方がついてくれ、どのような仕事が良いか、希望条件について、応募書類の添削、面接対策、企業の紹介などを行ってくれます。
ひとりで就職活動をするより心強いと思います。
職場に相談窓口が設けられている企業もあります。
自分の職場で、何か活用できそうなところはないか、確認してみましょう。
また、労働に関する支援制度を利用するのも方法としてあります。
利用方法ですが、就労移行支援事業所であれば、障害福祉サービスになりますので、お住まいの自治体の障害福祉課などで手続きを行うことで利用が可能となります。
他にも、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターという支援機関もあります。
障害を持った方に対する専門的な職業リハビリテーションサービスなどを行う機関です。
障害を持った方の就業面と生活面を一体的に支援する機関です。
休職中で、復職を希望で利用を開始したAさん。
不眠の症状もあり、休職中に昼夜逆転してしまい、生活リズムが崩れていたため、まずは生活のリズムを整えるところから支援を始めました。
ご本人がこれくらいなら通所できるかな、という週3日の午後からの通所で最初は利用を行っていました。
外に出て活動することで夜も眠りやすくなり、徐々に通所の時間を増やし、週5日終日通所することが可能になりました。
適応障害で復職するためには、ストレス要因が何なのかを分析することが重要になります。
職員と一緒に、どんなことがつらかったのかを整理していきました。
ストレスへの対処法をたくさん持っておくことも重要になるため、ストレス要因の整理が終わったら、
それらへの対処法を職員と考え、「こういうときはこう対処しよう」という対処法を決めることができました。
対処法をたくさん考え、実行できるようになったことで安心でき、復職のための職場との面談もスタートし、
WithYouで行っている活動の報告や、職場に復帰した際にどのように業務をこなしていくか相談を行いました。
何度か面談を重ねた結果、主治医、産業医、上司から職場復帰の許可も出て無事復職することができました。
今回は適応障害で仕事がつらい方、仕事に行きたくない方などに向けて、どのような対処法があるかをお伝えさせていただきました。
適応障害で仕事に行けない、行きたくない場合には、ストレスの原因を特定し、自分の状況に合った選択をとることが重要です。
適応障害は放置していると悪化する可能性もありますので、何かがおかしいと自身の変化を感じ取った際には、早めに対策をとりましょう。
また、ひとりで解決しようと抱え込まないことも大切です。
家族、友人、医療機関や支援機関の利用など色々な方に相談していきましょう。
当日、ご相談者様が指定されたお時間に、
堺筋本町校・本町校・梅田校・大阪校、いずれかお近くの方をご選択の上、御越しください。
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