就労移行支援とハローワークは何が違う?それぞれの役割と活用方法について解説

就労移行支援とハローワーク何が違う?_

就労移行支援とハローワークって何が違うの?そもそも、障害者雇用を目指す!上でどちらがおすすめ?

など、気になる方はおおいのではないでしょうか?

今回は、ハローワークと就労移行支援の違いについて詳しくみていきたいと思います。

また、WithYouをご利用いただいている方で「ハローワーク」「就労移行支援」を活用されて就職された方の体験談も併せてご紹介していきます。

この記事の監修者この記事の監修者
精神保健福祉士 菅田 明子
精神保健福祉士として、日々現場に携わる経験から症状に関する事や、福祉制度に関する事、就移行支援やリワーク・精神障害者雇用など、現場の経験からわかりやすく解説していきます。
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就労移行支援とハローワークでは何が違う?

ハローワークと就労移行支援の役割の違い

就労移行支援とハローワークは、就労するためのサポートを行うという点では同じですが、サポートの内容には大きな違いがあります。

ハローワークは就職活動中のサポートは充実していますが、就職の前段階や、就職後のサポートについては就労移行支援の方が圧倒的に充実していると言えるでしょう。

専門スキルの取得などを見据えたキャリアアップや転職だけでなく

 

  • 生活リズムを整えたい
  • メンタル面の相談に乗ってほしい
  • 自分の障害特性について知っていきたい
  • 就職した後もサポートを受けたい

上記のような方には、就労移行支援の方がおすすめです。

また、障害者雇用の就職において就労移行支援の通所率はかなり重要視されるポイントです。

ですから、安定した障害者雇用を目指すなら就労移行支援事業所を利用しつつハローワークを活用すると良いでしょう。

 ハローワークの障害者雇用における役割

ハローワークの障害者雇用における役割は主に、「求人を探している方や求人事業主の方に対して様々なサービス」を提供するという事です。 

ハローワークの役割

具体的には、

  1. 求人検索の提供
  2. 求人事業所への紹介
  3. 応募書類や面接の支援
  4. 就職活動の相談
  5. 支援セミナーの実施
  6. 職業訓練(ハロートレーニング)の案内

などがございます。

では、実際にどのような内容かを一つずつ見てみましょう。

 

【求人情報の提供】

ハローワークでは主に豊富な求人情報を提供しています。

ハローワークでの検索・閲覧のほか、インターネットサービスを通じて自宅からでも利用が可能です。

特に、障害者雇用においては求人数が最も多くあるのがハローワークとなりますのでまずは、他のエージェントや求人検索サービスを利用される方も

同時に、ハローワークは活用して就活することをお勧めします。

 

【求人事業所への紹介】

次に、求人を出している企業への紹介を行ってくれます。

具体的には、応募したい企業が決まった場合、ハローワークから紹介状を発行し、面接日時や応募手続きについてサポートします。

【応募書類や面接の支援】

応募したい求人が決まったら、応募書類(履歴書や職務経歴書)の添削や面接の指導も行っており、模擬面接を通じた練習機会も提供しています。

【就職活動の相談】

1人での就職活動が不安という方であれば、希望に応じて、その方に担当者が付き就職活動に関するご相談などにも対応してくれますので

お一人で就職活動をすすめるのが難しい方は、ぜひ活用しましょう。 

【支援セミナーの実施】

ハローワークでは、就活される方に向け就職活動に関する各種セミナーを開催しており、ビジネスマナーや応募書類作成、面接対策などといった就職活動に役立つ知識が学べます。 

【職業訓練(ハロートレーニング)の案内】

ハローワークでは各地域ごとに、離職者訓練・求職者支援訓練と言われる「無料の職業訓練制度」があります。

キャリアアップや希望職種に向けため職業訓練が受けられます。

参考:厚生労働省ハローワークトレーニングとは?

 

就労移行支援での障害者雇用における役割とは?

就労移行支援は、障害を持った方が一般就労に向けて、就労に必要なスキルを身につけるための訓練を行う事業所になります。

事業所に通所し、就職したい分野に役立つスキルの学習や、コミュニケーションスキル、ビジネスマナーなどを学んでいきます。

求人の検索や求人の応募より、一歩手前のサポートから受けることができます。

このように、ハローワーク利用だけでは手の届かない疾患や症状に関する面や

専門技術の取得やキャリアアップを考えた時に、就労移行支援事業所とハローワークを上手く使いながら就職活動を行われるのが最も効果的と言えます。

 

ハローワークでの障害者雇用における活用方法

障害者雇用におけるハローワークの役割

それでは、次にハローワークで障害者雇用への就職活動を行う上での適切な活用方法を

日々現場で支援に携わる、相談支援専門員であり精神保健福祉士である私がその経験から

ハローワーク求人で応募するメリットとデメリットについてご紹介していきたいと思います。

障害者雇用において、就労移行支援とハローワークでのメリット・デメリットを比較しながら

あなたに合った、活用方法を目指しましょう。

 

ハローワークで障害者雇用求人に応募するメリット

では、まずハローワークで障害者雇用求人に応募するメリットですが

  • 障害者雇用の求人数が多い
  • 面倒な登録をしなくても求人の検索ができる
  • 面接会を定期的に実施している

 

などがございます。

これに加えハローワークは、国(厚生労働省)が運営している機関となりますので、そもそも多くの強みがございます。

まずは、当然の事ながら公的な機関ですので、安心して利用を行うことができるのが強みと言えます。

 

では、先ほどのメリットをひとつひとつ見ていきましょう。

 障害者雇用の求人数が多い

体感ですが求人数は、やはりハローワークが一番多いのと感じます。

理由としては、やはり歴史があるという事が一点

また、企業側がハローワークに求人を掲載するときに、掲載料がかかることがないため気軽に掲載できます。

そのため、企業側からすると、求人を掲載しやすいという利点があり入社後に、何か費用がかかるということもございません。

 

なぜ、ハローワークでは求人が無料で掲載できるのかというと、前述のとおり厚生労働省が運営するサービスだからです。

民間運営の求人サイトなどですと、売上をあげる必要があるため、掲載料がかかります。

掲載料をできるだけ抑えたいと、思う企業も多いと思いますのでハローワークには多くの求人が集まると考えて良いでしょう。

 

面倒な登録をしなくても求人検索ができる

ハローワークで求人を検索するには、面倒な登録は必要ありません。

自分の個人情報などを登録するという、一手間があると、それだけで求人を探すのが億劫になる方もおられるのではないでしょうか。

面倒な登録なしで簡単に求人が検索できるという点は、大きなメリットでしょう。

自分の好きなタイミングで簡単に求人の検索をすることができます。

 

面接会を定期的に開催している

ハローワークでは、定期的に面接会を開催していています。

その中にはもちろん、障害者雇用求人専門の面接会も多くございます。

小さな規模の面接会もあれば、80社以上の企業が集まるような大規模な面接会も開催されています。

例えば大阪ですと、80社以上の企業が参加する面接会が、令和7年2月でさマイドームおおさかで開催される予定となっています。

このような面接会を利用することで就職活動に大いに役立ちますので是非活用をおすすめします!!

面接会では、書類選考を行うことなく、直接企業の採用担当者と面接ができるので、その点も面接会へ参加する利点と言えるでしょう。

  

ハローワークで障害者雇用求人に応募するデメリット

では、次にハローワークで障害者雇用求人に応募する際のデメリットはあるのでしょうか。

個人的な意見として以下のような点は、もしかしたらデメリットと言えるかもしれません。

  • 企業の雰囲気がわかりにくい
  • 応募から内定までの流れが面倒
  • 専門的な求人や非公開求人などがない

 

などが挙げられます、実際メリットと対照的なものがやはり目立ちますよね

とはいえ、デメリットを理解しておけば他のエージェントや検索サイトなどとの併用も可能なので、悪いことばかりではありません

それでは、実際にひとつひとつ見ていきましょう。

 

企業の雰囲気がわかりにくい

ハローワークの求人票だけでは、情報が足りない部分や、実際の企業の雰囲気が伝わらない部分があります。

と言うのも、エージェントサービスなどの求人などには画像などが添付されている場合がありますが

ハローワークでは、基本的に求人票のみなのでどのような企業なのか、どういった業務内容なのか、働く場所の雰囲気などイメージしにくいのではないでしょうか。

そのため、ハローワークから求人応募する際は、必ず企業のホームページなどを予め確認しておく必要があります。

 

応募から内定の流れが面倒

ハローワークから求人応募するためには、実際にハローワークは出向き、紹介状を発行してもらう必要があります。

また、求人検索自体は登録をしなくても行うことができますが、応募を行う段階では、登録を行う必要がありますので多少の労力がかかります。

また、その登録もハローワークの窓口で行うこととなりますので、ハローワークで就職活動を行う際は、実際に現地に赴く必要が多々出でくるでしょう。

 

そもそも、ハローワークは開庁時間も決まっています

さらには、当然ながら土日祝は閉まっていることがほとんどで、ハローワークへ行く時間がとれない方は、まず登録や紹介状を発行してもらうこと自体のハードルが高くなります。

ですから、応募するまでの流れが面倒だなと感じる方にはデメリットとなるかもしれません

非公開の求人がない

こちらも、非公開求人の中には専門職や専門技術を必要とする求人や

比較的収入が安定しているもの条件が良いものなどがあります。

ですが、ハローワークでは非公開求人を扱っていないためある程度誰でも出来る仕事が掲載されている事が多く

もちろんその全てがそうとは言えませんが、ご利用頂く方の中には「ロクな求人がない」とガッカリされる方も少なくありません!

そのような場合には、エージェント様の求人サイトと合わせてハローワーク求人の活用されることをおすすめしております。 

就労移行支援事業所の活用方法

では次に、就労移行支援事業所の活用方法についてですが、主にハローワークと違い

障害や就職技能訓練や就職活動においての、サポート体制が充実しています。

ですから、個人的におすすめの活用方法としては障害者雇用求人で応募するとき、

ハローワークだけでなく、就労移行支援も活用すると、より就職活動がスムーズにいくでしょう。

では、次に就労移行支援を活用するメリットとデメリットを見ていきましょう。

就労移行支援を活用するメリット

障害者雇用における就労移行支援の役割

就労移行支援を活用するメリットはいくつかありますが、今回は以下の3つからご紹介いたします。

  • 就職に必要なスキルを身につけることができる
  • 色々な講座を受講することができる
  • メンタル面のサポートがある

 

ひとつひとつ見ていきましょう。

就職に必要なスキルを身につけることができる

自分の就きたい仕事に必要なスキルや、会社で必要となるビジネスマナーなど、働くためのスキルを就労移行支援では学ぶことができます。

ハローワークでは、基本的に求人の検索や、書類の添削、面接練習など就職活動にまつわるサポートはありますが、技能習得などのサポートは基本的にはございません。

また、学習するだけならどこでもできると思われる方もいらっしゃると思いますが、就労移行支援は障害福祉サービスとなっているため、

通常の学校や職業訓練校と異なり、障害に対しての配慮を行なってくれるため、精神疾患や発達障害があっても安心して利用することができます。

色々な講座を受講することができる

就労移行支援では、事業所によって様々な講座を行なっています。

認知行動療法などの心理学系の講座や、SST(ソーシャルスキルトレーニング)のようなコミュニケーション系の講座や、IT、プログラミング、Webデザイン、会計など専門的なスキルを習得できるような講座など、

得意としていることは事業所によって異なりますが、色々な種類の講座が開催されています。

自分の興味のある分野や、苦手としている分野の講座を受講して、自分の能力を向上させることができます。

何か一つのことだけでなく、様々なことを学ぶことができます。

メンタル面のサポートがある

就労移行支援の利用は、身体障害、精神障害、発達障害、難病をお持ちの方が対象となります。

ストレス社会と呼ばれる現代では、その中でも、うつ病、双極性障害、適応障害、統合失調症などの精神障害や、ADHD、ASD、LDなどの発達障害の方が増えてきています。

その様な方にとっては、メンタル面のサポートという点も、とても重要になります。

症状についての困りごとや、日常生活で上手くいかないことなどを相談することができます。

精神疾患や発達障害に特化した就労移行支援であれば、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師など専門的な知識を持った職員が在籍しておりますので、精神的な相談を行うことができます。

就労移行支援を活用するデメリット

では、次に就労移行支援を活用する事でデメリットになる事ですが

  • とにかく早く就職したい人には向かない
  • 人によっては利用料がかかる場合がある
  • 事業所選びに失敗すると時間を無駄にしてしまう

などが挙げられるかと思います。

ひとつずつ見ていくなら

とにかく早く就職したい人には向かないかも?

就労移行支援の利用では、職場定着やその人一人一人の課題の解決に取り組みながら

それぞれのペースに合った就労を目指すため半年から1年とそれなりの期間を経て着実に就職に進める傾向があるため

とにかく急いで就職だけをしたいと言う方には、利用がデメリットとなるかもしれません

人によって利用料がかかる場合も!?

就労移行支援は国に定められた就労系障害福祉サービスであるため

利用に際して前年度の収入に応じた、自己負担がかかる場合があります。

詳しい利用料金の負担上限月額は以下の通りです。

 区分

世帯の収入状況

負担上限月額

生活保護

生活保護受給世帯

0

低所得

市町村税非課税世帯

0

一般1

市町村税課税世帯(収入が概ね600万円以下)

9300

一般2

上記以外

37200

この表の、一般1と一般2に当てはまる方は、利用料が発生します。

自分がどこに当てはまるかわからないという方は、お住まいの自治体の障害福祉課へお問い合わせください。

出典:厚生労働省障害者の利用者負担

上記のように前年度の収入に応じて利用料は異なりますので、詳しくはお住まいの自治体にご確認頂ければと思います。

この事からも、利用料がかかる方などはそれそのものがデメリットとなってしまう可能性がございます。

事業所選びに失敗すると時間を無駄にしてしまう

就労移行支援事業所は、それぞれ特色があり事業所ごとにサポート内容も学べるスキルもそれぞれです。

ですから、ご自身の目的にあった事業所選びに失敗すると利用期間を無駄にしてしまい

「本来自分に合った事業所であればすぐに就職できていたのに」と後悔してしまうかもしれません!

ですから、そもそも事業所を慎重に選ばなければならないという、それそのものがデメリットと捉えられます。

 

就労移行支援期間中に失業保険は受給できる?

現在就労移行支援を利用されている方、これから利用を検討されている方で、失業保険の受給をしようと考えておられる方もいらっしゃるかと思います。

就労移行支援を利用しながら失業保険を受給することは可能です。

実際にWithYouでも、失業保険を受けながら利用されている方が多数いらっしゃいます。

就労移行支援の利用期間中はアルバイトも禁止となっておりますので、収入を得ることができない状況になります。

失業保険など、利用できる制度があれば積極的に活用していくことをおすすめいたします。

 

実際の就労移行支援とハローワークの連携事例

それでは、最後に実際に就労移行支援事業所WithYouを利用されている方で、ハローワークも利用しながら就職をされた方の事例をご紹介します。

ADHDをお持ちの20代男性の就労移行支援とハローワークの連携事例

体験談男性A

この方は前職で人間関係が上手くいかず、パワハラにあい、退職された後、WithYouへお越しになり利用につながりました。

利用当初は、人との距離感が上手く掴めないといったような、コミュニケーションのことが一番の悩みであるとおっしゃられており自分にどのような仕事が合っているのか、職業適性についても不安に感じておられました。

就労移行支援を利用できる期間は2年間と決まっているため、その期間内で就職できるように、

多くの支援者が関わってサポートを行った方が良いと判断し、ハローワークへ登録に行き、担当の方についていただきました。

そして、ご本人、就労移行支援の担当者、ハローワークの担当者で、現在不安に思っていることや、

就職にあたっての課題などを話し合い、整理し、今後の方向性を決めていきました。

ハローワークの担当者の方にも就職相談を行ったり、障害者職業センターでの職業評価を受けたことによって、

より視野が広く持てるようになり、色々な仕事に挑戦してもいいかもしれないと思うようになり、精力的に求人応募を行なった結果、就職を決めることができました。

その後も、ハローワークの方との三者面談を都度行うことで、支援の方向性も揺るがずに、

ご本人の意向を確認しながら、ご本人の障害特性に合った仕事に就くことができました。

不安障害をお持ちの20代女性の就労移行支援とハローワークの連携事例

体験談女性B

この方は、ハローワークを利用するのが初めてということで、ひとりでハローワークへ行くことにとても不安がある方でした。

支援員と一緒であれば、行けそうということで、

予定を合わせて管轄のハローワークへ伺い、登録を済ませました。

担当の方にもついていただきましたが、初めての方と話すことに強い緊張があったため、

初回は就労移行支援の支援員同席で、相談を行いました。

ハローワークでどのようなことを相談すればよいのか、ご本人がわからなくなることも多かったため、

支援員と一緒に相談内容や確認事項を話し合ってからハローワークへ行くことで、安心してハローワークの担当者と話すことができました。

希望職種や条件も、事前に支援員と紙に書き出して相談に行ったり、支援員からハローワークの担当者にご連絡をとったりしていました。

このようにしてハローワークに何度か通い、ハローワーク求人で希望されていた事務職での就職を決めることができました。

就労移行支援とハローワークは何が違う?・まとめ

以上が就労移行支援とハローワークの違いや、それぞれのメリットやデメリットなど

比較や活用法についての記事となります。

個人的な体感としても、実態としても就労移行支援を活用しながらハローワークも併用して活用する!

というのが最も、おすすめの方法となりますので是非参考になりますと嬉しいです。

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