リワークとは?対象者や費用、メリットデメリットについても解説

リワークとは?

「リワークって何?」

「リワークの対象者や料金について知りたい」

「デメリットも気になる…。」

 

とお考えの方へ。

 

結論から言えば、リワークは精神疾患や適応障害の方に対する、職場復帰プログラムの事を言います

 

このページでは、リワークの効果やメリット・デメリット、対象者や料金について解説いたします。

 

また、実際にリワークを行う。当校の実例を元にプログラムの内容や受ける流れなども解説いたします。


この記事の監修者この記事の監修者
精神保健福祉士 菅田 明子
精神保健福祉士として、日々現場に携わる経験から症状に関する事や、福祉制度に関する事、就移行支援やリワーク・精神障害者雇用など、現場の経験からわかりやすく解説していきます。
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WithYouのリワーク

リワークとは?

リワークとは?

リワークと(return to work)の略称で、主に精神疾患の方に向けた「職場復帰プログラム」のことを言います。

主に、うつ病などで休職し、自宅療養を経て回復期にある方が、職場復帰に向けて通いながら

通勤訓練や認知行動療法、職場訓練などを行うプログラムです。

 

また、厚生労働省が定める職場復帰の基準に従い、プログラムを進めていきます。

 

心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き

(平成16年10月14日公表、平成21年3月改訂)

労働基準局安全衛生部労働衛生課

  

  • 労働者が職場復帰に対して十分な意欲を示している
  •  通勤時間帯に一人で安全に通勤ができる
  •  会社が設定している勤務時時間の就労が可能である事
  •  業務に必要な作業をこなす事ができる
  •  作業等による疲労が翌日までに回復している事
  •  適切な睡眠覚醒リズムが整っている事
  •  昼間の眠気がない事
  •  業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している事

参考:労働者の職場復帰支援(改訂版)

 

また、リワークを行う事業所と企業で円滑な職場復帰の調整なども行います。

 

リワークの意味ない?なしで復職した場合と再発防止の観点から

なぜ、リワークが重要かと言うと

精神疾患などは非常に再発率が多く、

例えばうつ病での再発率は60%にも及びます。

「厚生労働省 地域におけるうつ病対策検討会「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-」(平成16年1月)「コラム・活動事例・資料編」の「資料1:うつ病について」より

 

また適応障害なども環境などのストレス因子やストレスの対処法が非常に重要です。

そのまま同じ環境で、職場復帰してしまうとまた同様に適応障害となってしまうでしょう。

 

そこで、リワークプログラムを導入することで精神疾患の再発予防の観点から重要になってます。

 

(出典:特集「第19回日本産業精神保健学会」,投稿論文「リワークプログラム利用者の就労継続性に関する効果研究」 335-349ページ参照,大木洋子,五十嵐良)

 

第19回日本産業精神保健学会に投稿された論文において、うつ病患者90人を対象に

リワークプログラムを利用した群(45人)、利用しなかった群で

リワークの有無による1000日後の就労継続性について調査されました。

 

リワークの有無による3年就労継続率のグラフ

結果、

リワークを利用した群は7割が働き続けていたのに対して、

利用しなかった群は2割以下しか働き続ける事ができませんでした

 

さらにリワークプログラムを利用した人に比べて、非利用者の再休職リスクは1.89倍

 

従って、会社側としても、休職後復帰した従業員に対してリワークプログラムを推奨する利用はここにあります。

リワークを利用しないで、復職すると3年後には8割が再休職している現状があります。

 

より、リワークの意味についてより詳しくは以下の記事をご覧ください。

リワークの受けられる場所と費用

では、実際に精神疾患で休職した際に、どこでリワークを受けることができるのでしょうか?

実は、リワークを受ける事ができる場所は多数あります。

リワークが受けられる実施主体

この章では、リワークを行っている場所と対象者、そして受講にまつわる料金について解説致します。

就労移行支援で行われるリワーク

障害者総合支援法に基づいて、本来は障害者に対する就職支援を行っているのが

この指定就労移行支援事業所です。

 

その中でも、当校のように精神疾患を専門とする就労移行事業所がリワークプログラムを実施しています

 

就労移行支援事業所で行われるリワークの特徴

 

就労移行支援事業所のリワークの特徴としては、通常

精神疾患の就職支援を専門としている事から

就職を目指す精神疾患の方に対する知見が豊富です。

 

また、6カ月間復職後の職場との連携を行う、

就労定着支援と呼ばれるサービスもあります

それ故に、産業医や企業、利用者に対して客観的な視点で

それぞれの視野に立った職場復帰支援が可能です。

 

またプログラムも各事業所で多彩な点や

復帰する職場に合わせたオリジナルな個別プログラムが挙げられます。

 

就労移行支援リワークの対象者と料金

対象者としては、精神疾患や適応障害の診断をされた方について利用できます。

 

リワークの利用に当たっては、以下のいずれか書類により利用できます。

  • 精神疾患や適応障害の診断書
  • 医師の意見書
  • 精神障害者保健福祉手帳

利用料金については、以下の前年度の所得に応じて発生します。

 

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯 0
一般1市町村民税課税世帯(年収約670万円未満)9,300円
一般2上記以外  37,200円

 

※その他条件によって減免があるので、各行政に確認してください。

 

他の諸費用に関しては昼食代や交通費、プログラムの教材が挙げられます。

当校のリワークでは、交通費・昼食費・プログラムの教材は補助制度により全額無料となっております。

 

精神科で行われるリワークプログラム

主に精神科で行われるデイケア・ナイトケア・ショートケアにおいて

一部の精神科では、復職者専門に行っているものがあります。

 

本来、デイケア・ナイトケア・ショートケアは精神障害者が地域で生活するにあたって社会訓練を行う場所です。

厚生労働省:「精神科デイケアについて

 

中には休職者を専門とするクリニック・医師がおり

精神疾患の治療と並行して行う事ができます。

一般社団法人うつ病リワーク協会:「リワーク施設情報

 

精神科で行われるリワークの特徴

精神科デイケアで行われるリワークの特徴としては、精神疾患の治療とリワークが同じ主治医において一体的に行える事です。

 

そのため正確に自身の復職の可否を判断しながらプログラムを進めていけます。

 

しかしながら、すでに主治医がいる場合は主治医の変更が必要な場合があります。

 

精神科リワークの対象者と料金

対象者としては、リワークを実施する精神科において受診後希望する事により受講できます。

利用に当たっては健康保険にて利用できます

 

デイケア

 費用は日額デイケア利用初日利用開始から1年まで1年目以降
・1割負担の方
・自立支援医療利用の方(注)
1,040円820円770円
3割負担の方3,110円2,470円2,320円
自費の方10,380円8,230円7,730円

 

ショートケア(半日参加)

 

費用は日額ショートケア利用初日利用開始から1年まで1年目以降
1割負担の方

自立支援医療利用の方(注)

640円420円400円
3割負担の方1,910円1,270円1,210円
自費の方6,380円4,230円4,030円

 

東京都福祉局:「デイケア利用に係る費用

 

また、精神疾患で通院している場合、自立支援医療受給者の証の利用が可能となり

医療費の自己負担額が3割負担から1割負担に変更となります。

さらに前年度の年収に合わせて自己負担の上限が定められます

厚生労働省:「自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み

 

地域障害者職業センターにおけるリワーク

最後にご紹介するのは、地域障害者職業センターにおけるリワークです。

こちらは、障害者の雇用の促進等に関する法律の規定に基づき、国より各都道府県に設置されています。

 

地域障害者職業センターとは、職業リハビリテーションの拠点となっており、

リワーク支援の他にも、障害者に対する就職支援などを行っております。

 

地域障害者職業センターにおけるリワークの特徴

プログラムの内容としては、リワークとして基本に忠実なオーソドックスなものとなっており

生活リズムの再構築、体調の自己管理からグループでのロールプレイ、ストレスマネジメントなどを行っております。

 

従って、精神科でのデイケアや就労移行支援のデイケアと同じような基礎となる

職場復帰プログラムが利用可能です。

 

また、利用される方・主治医・会社の三者の関係性を何より重要視して、プログラムを進めていきます

 

地域障害者職業センターにおけるリワークの対象と料金

 

対象者は以下のようになっております。

 

  • 休職中で復職を希望していること
  • 回復期にあり症状がある程度安定していること
  • 服薬の自己管理ができ、生活のリズムがある程度確立していること

 

そして、事業主・主治医・本人の三者の同意が必ず必要となっております。

大阪障害者職業センター:「障害のある方へのサービス

 

利用にあたっては、管轄の地域障害者職業センターへ、電話にて月2回行われる説明会に参加後申し込みます

電話番号並びに説明会の日程については、各地域障害者職業センターの公式サイトにて案内が出ております。

 

さらに、利用にあたっては定員制となっておりますので注意が必要です。

 

また一点注意が必要で、こちらは公務員の方は利用できません

利用対象者は雇用保険適用事業所にお勤めの方です。

国・地方公共団体・特定独立行政法人にお勤めの方は対象外となります。

費用は無料となっております

 

そのため、公務員の方がリワークを受けるにあたっては

就労移行支援、又は精神科でのリワークとなりますが

 

教師の方などは教育委員会がリワークをおこなっていたりなど

独自に行っている場合がありますので、お問い合わせください。

 

リワークの期間

では、リワークの標準的な期間について解説致します。

代表的なデータはありませんが

参考に国が行うリワークである地域障害者職業センターのリワークにおいての

標準的な期間は4ヶ月となっております。

リワーク期間の目安

期間の内訳については

 

コーディネート期間と呼ばれる期間が1.5ヶ月から2ヶ月

この期間ではリワークを進める前段階として主に以下の3つのポイントの調整を行います

  • 企業・休職者・主治医の三者で復職支援の進め方を調整する
  • 実際のリワークプログラムを体験し、課題を見つける
  • リワーク計画を策定し、3者の同意を得る

 

コーディネート期間が終了し、実際のリワークプログラムに突入します。

概ね2ヶ月を想定しリワークプログラムを実施されます

 

さらに、職場復帰後もフォローアップとして

定期的な支援を行います。

 

当校の場合も、平均期間が4ヶ月として

復職後のフォローアップ期間として6ヶ月間のサポートを行っております

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「リワーク支援の内容について」

 

リワークの費用のまとめ

これまでの内容を踏まえてそれぞれの費用は以下のようになります。

リワークの種類月額(前年度収入に応じて)その他の費用対象者
就労移行支援のリワーク0円〜37,200円交通費・教材・昼食費(無料の施設も多い)精神疾患の方
精神科リワーク0円~20,000円(自立支援医療)交通費・教材・昼食費精神疾患の方
地域障害者職業センターのリワーク0円交通費・教材・昼食費雇用保険事業所に雇用されていた精神疾患の方

 

どのリワークを利用するかは、個人が自由に選択できます

自身の経済的な状況や周囲の同意の状況を考慮しながら選択してください。

 

リワークのプログラムの内容

 

では、実際のリワークプログラムの内容をご紹介していきます。

紹介にあたっては、当校独自のプログラムもございますが

一旦、どこの施設でも行われるリワークプログラムを解説していきます。

 

通勤訓練

通勤訓練

リワークに向かう通勤も復職に向けたトレーニングの一歩です。

自宅療養を経た体にとって、休職前は当たり前にできていた

この通勤と言う行為は、想像以上に疲れます。

第一関門となります。

 

生活リズムの構築

 

自宅療養時においては、睡眠のリズムや

食事のリズムが乱れる事から自立神経も乱れがちです。

 

生活リズムを安定させるにおいて、最も重要な事は起床時間・就寝時間・食事間の固定です。

これがしっかりと行われているか、記録表をつけながら管理します。

 

認知行動療法

認知行動療法

辛い気分や悲観的な気持ちを引き起こす認知を少しづつ変化させていくプログラムです。

これまでのストレス状況下に置いて、

違う考え方はできなかったのか?

違う対処法はなかったのか

 

などカウンセラーとの対話方式で、根本的な認知やストレス対処法等の習得していきます。

 

ソーシャルスキルトレーニング

ソーシャルスキルトレーニング風景

ソーシャルスキルトレーニング風景

これまでに仕事上の対人関係などを振り返り、自身にストレスを与える問題のある対処やクセがなかったか

実際の場面を想定しながら、ロールプレイ方式で正しい対象方法を身につけていきます

 

基礎体力の向上(理学療法プログラム)

自宅療養を経て、体の基礎体力が落ちています。

それに対しては、マット上の運動などを行い基礎体力の回復をはかります

 

キャリアカウンセリング

キャリアコンサルタント

これまでのキャリアの振り返りを行います。

休職中の段階においては、自身の今後のキャリアについて不安が募ります。

復職後のキャリアをあらかじめ見直す事で、復職のみを目標とするのではなく

長期的な視点に立った復職を目指します

 

仮想オフィストレーニング

仮想オフィスプログラム

実際の、企業のオフィスを限りなく再現することにより

同様のストレス下で実際に働くに耐えうる精神状態か?を推しはかります

身だしなみから、始まり

役割を与えられ、仕事に近い人間関係の中で

責任感を持って仕事をすることで復職に対する自信をつけます。

 

リワークはしんどい?いきたくなくなる時

これまでリワークプログラムの内容を解説していき、

「これなら簡単だ」と思われた方も多いのではないでしょうか?

特に通勤訓練などは、電車に乗るだけです。

 

断言しておきますが、かなりしんどいものとなります

 

というのもリワークに通うタイミングについては、

精神疾患で自宅療養期を経て、回復期にある状態だからです。

気持ち的には回復に向かっていますが、

体はなかなか言うことを聞いてくれません

 

特に、リワーク初期が最もしんどいです

このタイミングで行きたくなくなり、足が遠のく方も多いです。

ですので、初期の段階においてはできなくて当然と割り切り、

少しづつ体を慣らす事を心がけましょう。

 

リワークのデメリットは?

これまで解説してきた通り、リワークは再発防止の観点から非常に有効です。

しかしながら、リワークの良い効果についてばかり解説してきましたが、

デメリットの面についても言及していきます。

 

リワークのデメリット①金銭面での負担

原則、リワークは通って受ける形となります。

それ故に電車代や通っている期間の昼食費用、さらに国で定められた利用料が当然発生します

しかしながら、結果的に復職率や再発率に非常に大きな影響を与えるため

一時的な金銭負担をとるか、考慮すべきでしょう。

 

当校のリワークの場合は、通勤も訓練の一部と考え、交通費全額支給や食費、教材費は負担なしでさせて頂いております。

利用料については市町村の定めに従い、発生します。

 

リワークのデメリット②適切な施設を選択する必要がある。

自分に合った適切な施設を選択する必要があります。

現状、リワーク自体は、前述したように専門の制度はなく

あくまでも他の制度を準用した形のものです。

 

従って、共通のカリキュラムは存在しないため

実際に体験を行い、実績がある施設かしっかりとヒアリングする事が重要です。

 

合わせて、休養期間を過ごした体にとってリワークは想像以上にしんどいものとなります。

実際に続けられるか?これも非常に重要なポイントとなります。

 

当校では、リワークの本利用前に無料体験を必ず行っております。

 

リワークのデメリット③企業側の理解

 

企業側がリワークというものに理解があるかどうかも重要となります。

リワーク制度自体まだまだ認知度は低いものです。

場合によっては、リワークに行けるのだったら出勤してくれと言われる場合もあります

さらに、地域障害者職業センターのリワークでは、必ず事業主の同意が必要となります。

 

リワーク期間中の給料について

リワークの期間は原則、傷病手当での利用となります

ノーワーク・ノーペイの原則より、休んだ分の給与は原則発生しません。

その際に、休職中の生活を保証するための制度がこの傷病手当金制度となります。

 

傷病手当金の支給要件

 

傷病手当金の支給要件は以下のようになります。

 

  • 健康保険組合に加入している事
  • 病気療養中であること
  • 仕事につくことができないこと
  • 4日以上仕事を休んでいること
  • 給与の支払いがないこと

 

傷病手当金制度を利用する際には、医師の診断が必要ですが申請容姿に

「就労不能と診断する」という文言を記載されていれば、スムーズに受給が始まります

 

傷病手当金の期間と金額

 

傷病手当金の受給期間は最大1年6ヶ月となっております

これは、途中で退職してしまっても、それまでに社会保険に1年以上継続して加入していれば、1年6ヶ月までは変わらず受給できます

 

金額に関しては、以下の計算式で決まります。

 

支給開始以前の12ヶ月の標準報酬月額の平均 / 30 × ⅔

 

リワーク期間中の社会保険料

 

リワーク期間中において、原則在職中は社会保険料が天引きされます

しかしながら、休職中は給与の天引きで社会保険料の支払いができないため

別途支払う必要があります

 

ここで問題なのは、休職以前の社会保険料を支払う必要があるため

取れる方法としては、以下の3つです。

 

  • 任意継続被保険者
  • 国民健康保険加入
  • 家族の扶養

 

この手続きは、休職期間の生活に置いて非常に重要となるため、家族や上司等に掛け合いしっかりと手続きを踏みましょう。

 

リワークとは?まとめ

 

今回はリワークプログラムの内容や費用、メリット・デメリットについてまとめました。

 

当校でもリワークは受講できますので、気になる方は相談など気軽にお寄せください。

 

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