就労移行支援には、利用に向いている人と、向いていない人がいらっしゃいます。利用を始めてから、こんなはずじゃなかった!と思うことがないように、今回の記事では、就労移行支援に向いていない人の特徴を、実際の体験談を交えてご紹介します。
早速ですが就労移行支援事業所の利用に向いていない人は、どのような人なのでしょうか!?
例えば、
主にこの5つが利用しても満足のいく結果を得られない…つまり「就労移行支援に向いてない人」だと言えます。
実際には、これらに当てはまる人は利用してはいけない訳ではなく中々活用しずらいという意味合いであり決して利用してはダメという意味ではありません!
それでは、これらをひとつづつ、利用後のトラブル回避のためにも体験談をもとに、パターンでご紹介します。
そもそも、就労移行支援は就職に向けてスキルを身につけたりご自身の課題を理解し克服することで「自立を促す」「社会復帰を目指す」ことを目的としている通所型の就労系施設となります。
つまり、就職先を紹介したり斡旋を行うことが目的ではないため実際に「就職先だけを紹介してほしい」という方で訓練などは不要だという方には向いていないサービスと言えるでしょう。
では実際の、相談事例を見ていきましょう
見学時に求人を紹介してほしいとの希望でお越しになられました。
就労移行支援では求人の斡旋ができないことをご説明し、「求人の紹介だけを目的に利用をすると、期待とは異なってしまう結果になります」といった、ご説明を行いました。
ただし、ただお断りするのではなくこの場合は、ハローワークで求人を探したり、転職エージェントを利用して求人を探すのがよいとアナウンスをさせていただき適切な機関への誘導を促します。
もし、「目的が就職先の紹介のみ」であり、障害者枠での就労を検討している方は、障害を持っている方専門の転職エージェントもございますので、そちらを利用するのもよいでしょう。
専門スキルを学んで「就職を目指したい!」といった場合であれば全く問題ございません!
実際に、当校をご利用いただく方の中には専門スキルを身につけることで自分に自信をつけ「就活に自信をもてる」というように初めは、スキルの習得のみを目的とされる方も多く受け入れております。
それ自体は特に問題はなく!むしろはじめの一歩として学びから入るというのは非常に効果的だと思うのですが…
中には「専門スキルだけ学びたい!」けど「別に就職はしたくない」といったケースであれば、就職を目的としないためそもそもの就労移行支援の目的とも合わず「向いていない人」と表現されるかと思います。
それでは、こちらも実際の事例を見ていきましょう。
体調は安定しており、週5日通所することが可能。ストレスへの対処もご自身なりの方法があり、体調を崩すことはほとんどない。プログラミングの技術を学んでいるが、学校のような授業形式で毎日しっかり学習していきたいとの思いが徐々に出てくる。就労移行支援を途中で利用終了し、専門のスクールに通うことを決められる。
就労移行支援でも専門的なスキルを身につけることは可能ですが、スクールとは異なります。体調に問題がなく、自分の障害特性の理解もすでにある方で、スキルの習得だけを目標にして、より高度なスキルを身につけたい場合は、就労移行支援の利用を選ぶ必要はないかもしれません。
週1回からでも、働く事を想定して「徐々に通所回数を増やしていける」と言う方であれば問題ありませんが
逆に、まだ、外出が難しい人や体調そのものが安定していない人つまりはうつ病や適応障害の方においての「休養期」にあたる人も”まだ”就労移行支援事業所の利用には早い「向いてない人」であると言えます。
こちらの相談事例で言うと
週1日からの利用を始める。精神的にしんどいことが多く、外出が困難。週1日の通所も難しいときがあった。そのような状況が続き、ご本人や医師とも相談し、利用期間を残すためにも一度就労移行支援の利用を終了し、まずは体調を整えてから再度就労移行支援の利用を目指すことになる。
就労移行支援は、一般就労を目指していく場所になります。そのため、最終的には週5日通所を目指す方がほとんどです。まずは週1日からの通所で大丈夫ですが、徐々に日数を増やしていきます。
利用期間である2年間の間に週5日通所することが難しいと考えられる体調であれば、まずは体調を整えてから利用するのがよいでしょう。
そもそも、就職したくないなら就労移行支援は使わないんじゃないの!?と思う方もいるでしょう
ですが、実際に本人医師ではなくやむなく通い始める人も中にはいらっしゃいます。
その場合は、続かなかったりと言う場合もありますので注意が必要です。
ただし、きっかけとして少しづつ「意欲の向上を図り、通所を通して就労を目指すきっかけになる」と言う場合もございますので、まず一度は就労移行支援に相談を行うことをおすすめいたします。
それでは、実際のケースを見ていきましょう。
両親に言われ、よくわかっていないけど、とりあえず利用をしたいと思っている。しかし、就職したいと思っていないため、通所する意味がわからない。徐々に通所をしなくなり、本人の希望で就労移行支援の利用を終了する。
就職したいと思っていないけど、家族に言われたから仕方なく通おうと思っているという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、就職したいと思っていなければ、就労移行支援に通所するモチベーションがなく、結果、通所が途絶える可能性が高くなります。
就労移行支援は2年間という利用期間が決まっているため、本当に利用したいと思ったときに利用するのがよいでしょう。
前年の所得により、利用料が発生する方であったり通所の交通費が厳しいため
就職までの期間の通所の生活が難しい方も多くいらっしゃると思います。
また、家庭の事情などによって経済的に苦しくなり通所を断念する方も中にはいらっしゃるかと思います。
そういった場合は、利用期間の消費を防ぐためにも一旦利用を停止するケースや
就労継続支援などを利用するといったケースもございます。
但し、就労移行支援に通いながらアルバイトを認められるケースもございますので気になる方は以下の記事をご活用ください!
正社員での就労を目指し、就労移行支援の利用を開始する。順調に通所できていたが、家庭の事情により経済的に厳しくなる。できるだけ早い就職を目指すこととなるが、一般就労するにはまだ体調が心配とのことで、就労継続支援A型の利用に切り替える。
就労移行支援を利用している間は、原則アルバイトも含め、働くことができません。そのため、収入が得られない状況となります。貯金がある程度ある方や、ご家族に援助してもらえる方、障害年金、失業保険などの給付を受けておりそこまで金銭的に困っていない方などは、問題なく利用することが可能かもしれませんが、経済的にかなり厳しいという方は、就労移行支援の利用は向いていないかもしれません。
就労継続支援という障害福祉サービスもありますので、そちらを選ぶのもひとつの手です。
現在、就労移行支援を利用していて上記の「向いてない人の特徴」以外に
もし、色々な理由で就労移行支援をやめたいと感じるときが出てくるかもしれません。
では、そもそも就労移行支援をやめたいと思ったときはどうしたらよいのでしょうか!?
就労移行支援をやめたいと思った時の対処法と流れについて解説指定いきます。
まずは、通っている就労移行支援事業所の職員に相談してみましょう。
自分がどんなことが理由でやめたいと思っているのかを話し、事業所の中で解決することができるようであれば、職員と一緒に解決していきましょう。
もし、解決可能な原因であれば相談をすることで、何かいい策が出てくるかもしれません。
通っている、就労移行支援に言い出すのが難しい場合は計画相談を利用している方は、第三者である相談支援専門員に相談してもよいでしょう。
必要に応じて、事業所との間に入って話を進めてくれます。
また、就労移行支援以外の障害福祉サービスを利用する方がよい場合は、その他の障害福祉サービスや事業所の情報提供をしてくれます。
事業所の職員に相談してもどうにもならない理由で、就労移行支援をやめたいと思っているのであれば、事業所を変えるのもひとつの方法です。
その場合は、現在利用している事業所を退所し、別の事業所と契約する必要があります。
先に次の事業所に相談し見学に行き、体験を済ませ、スムーズに移れるようにしておくのがおすすめです。
別の就労移行支援に移る場合の一般的な手続き方法は、以下のような手順で行われます。
まずは現在利用している就労移行支援事業所に、退所を考えていることを伝えましょう。事業所によっては、利用を辞める際に何日前までに申し出るように決めている事業所もあります。
事前に見学や体験を行い、プログラムの内容や雰囲気が自分に合っているか確認しましょう。利用したい事業所が決まったら、別の就労移行支援から移りたいことや、いつ頃から利用したいのか希望を伝えましょう。
現在利用している就労移行支援事業所に、受給者証を持っていき、退所の手続きをしてもらいましょう。
退所の手続きが終わったら、次の就労移行支援事業所へ受給者証を持っていき、契約の手続きを行います
同じ障害福祉サービスを利用する場合は、支給決定期間内であれば、受給者証はそのまま使えることが多いです。しかし、お住まいの自治体によって取り扱いが異なるため、事前に確認しておきましょう。
例えば、就職先だけ斡旋してほしい場合であれば先ほど記載した、障害者求人紹介サービスを利用するなどが挙げられます。
ご自身の状況や目標にあわせて、就労移行支援の利用ではなく、別の障害福祉サービスの利用が向いている方は、サービスの変更をしましょう。
まずは自分が利用するのに向いている障害福祉サービスの情報収集をしてみてください。
現在通われている就労移行支援の職員に相談するのもよいですしどんな障害福祉サービスがあるのか教えてくれます。
障害福祉サービスの種類を変更する場合は、一般的には以下のような手順で手続きを行います。
まずは現在利用している就労移行支援事業所の職員に、別の障害福祉サービスの利用を考えていることを相談しましょう。悩んでいる場合は、どのような障害福祉サービスが合っているのか一緒に考えてくれます。
どの障害福祉サービスを利用するか決まったら、事業所を探しましょう。内容、通いやすさ、経済的なサポートなど色々な面をチェックし、自分に合う事業所を見つけましょう。候補をいくつか決め、見学と体験に行き比較して決めるのがおすすめです。
利用する事業所が決まったら、現在利用している就労移行支援事業所に受給者証を持っていき、退所の手続きをしてもらいます。
障害福祉サービスの種類を変更する場合は、再度申請が必要になります。お住まいの自治体の障害福祉課で申請を行います。
新しい受給者証が発行されたら、次に利用する事業所に持っていき契約の手続きを行います。
これらの流れが完了した後に、本格的に就労移行支援事業所のサービス利用が開始となります。
就労系の障害福祉サービスは、就労移行支援の他に、就労継続支援(A型・B型)というものがあります。就労移行支援を利用してみたけど、思っていたのと違う…という方は、就労継続支援を検討してみるのもよいかもしれません。
就労継続支援A型 | 雇用契約を結んで働きます。 一般企業よりも就労時間が短いことが多いです。収入は得たいけど、まだ一般就労する自信はない…という方は、就労継続支援A型で経験を積んでから一般就労を目指すのもよいかもしれませんね。 |
就労継続支援B型 | 週1回からの利用が可能です。 週5日働くことが難しい方は、就労継続支援B型で少しずつ体調を整えたり、働くことに慣れていくのもひとつの手です。 |
ここまでは、「就労移行支援の利用に向いていない人」はどのような人なのか、解説を行ってきました。
では、対照的に就労移行支援の利用に向いている人は、どのような人なのでしょうか?
大抵は、向いていない人の逆のパターンにはなりますがひとつずつ見ていきましょう。
例えば、就職活動を行うにあたり
上記のような理由で、今すぐに就職するのは自信がないという方は、就労移行支援を利用して、不安を解消しながら就職活動の準備をしていくのが効果的です。
どんなことを主に取り組んでいきたいか、職員と一緒に相談しながら就職までの計画を立てて動いていきましょう。
自分ひとりで就職活動を行っているけどなかなか上手くいかない…このような方も、就労移行支援を利用して職員と一緒に就職活動を行うことで何か変わるかもしれません。
就労移行支援を利用することで、どういったところで就職活動が上手くいっていなかったのかを職員と分析しながら、対策を立てて就職活動を進めることができます。
就職するにあたり、自分の障害の特性や症状をよく理解しておくことはとても重要です。
しかし、ひとりでやろうと思ってもなかなか難しいところだと思います。
専門的な知識を持った職員と一緒に自分について考えていき、上手く企業に障害特性や配慮事項を伝えられるようになりましょう。
せっかく利用する就労移行支援なので、有意義に使いたいですよね。そのためにはどんなことに注意していけばよいかを解説します。
就労移行支援では、「個別支援計画」という計画を立て、この計画に沿って支援を行います。そのため、計画作成時にはしっかり自分の希望を伝えましょう。ここで自分の希望を伝えきれないと、自分が思っている計画と、個別支援計画にズレが生じてしまいます。
個別支援計画は、3ヶ月に1回以上見直しが行われます。
なので、3ヶ月ごとに作成されているケースが多いのではないでしょうか。
個別支援計画は3ヶ月の計画ですが、就職するまでの長期的な計画も立てておくと、どのような順序で訓練に取り組み、いつまでに何をすればいいのかがわかりやすいのでおすすめです。
こちらも職員に自分の希望を伝え、一緒に計画を立ててもらいましょう。
就労移行支援を利用する中や、日常生活の中で気になることや困っていることが出てくることもあると思います。
そのようなときは、すぐに職員に相談しましょう。
中には、こんなこと相談していいのかな…と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、悩みごとはできるだけ早い段階で解決しておいた方が安心です。
障がい者雇用枠で配慮を受けながら働きたい場合は、就活において特に「相談できる相手がいるか?」「人に相談できるか?」は重要視されます。
なので、困ったら誰かに相談する癖をつけておくのも長く働くために重要です。
就労移行支援の中では解決できないことであっても、専門機関に繋いでくれる場合もあります。ひとりで抱え込んでしまうと、精神的にもつらくなります。早めに職員に相談するようにしましょう。
また、事業所の利用についてわからないことがある場合も同様です。
放っておくと、わからないままどんどん時間が過ぎていきます。直接口頭で職員に質問、相談するのが難しいという方は、日報など事業所に提出するものがある場合はそれらに記入して伝えるのもよいかもしれないですね。
通所が滞ってしまうと、就労移行支援のサポートもなかなか進みません。最初は体調や体力に合わせ、少ない日数の通所でも大丈夫ですが、少しずつ通所日数を増やせるようにしていきましょう。
それでは、就労移行支援を利用する際には、どのようなところに注目して事業所を選んでいけばよいのかについてご紹介していきます。
の、4つの指標で、正しい就労移行支援の選び方を見ていきます。
就職できるかどうかは一番大切なポイントです。
今までに何名くらい就職したのか、どのような企業に就職したのか、正社員での就職が多いのか非正規雇用での就職が多いのか…自分が希望している業界や就労形態をイメージしながら就職実績を見ていきましょう。
ホームページに記載されていない場合は見学の際に聞いてみましょう。
また、就職定着率も重要です。就職はできてもすぐに辞めてしまう人が多い事業所は避けるべきです。
長く働くことができているのかもあわせて聞いてみましょう。
就労移行支援は事業所によって雰囲気が全く違います。
例えば、
通われている方の年齢層や、性別、お持ちの疾患などによっても雰囲気は変わっていますし、雰囲気が合わないとだんだん通いにくくなってきてしまいます。
など、色々な事業所があります。
こちらは、必ず体験を行うことでミスマッチを防ぎましょう。体験時に職員の対応や他の利用者の雰囲気、事業所の空気感などを見ておきましょう。
プログラムの内容は事業所によって様々です。
例えばWithYouでは、基本的な事務スキルの他に、プログラミングやデザインスキル、会計のスキルが学べたり、コミュニケーションスキルを身につけるための講座や心理療法の講座などがございます。
どんなことに強い事業所なのか、事前にチェックをしておきましょう。
こちらも体験を必ず行うようにして、自分のやりたいことができる事業所なのかどうかを見ておきましょう。
通いやすさも就労移行支援の利用には重要です。
せっかく利用を始めても、場所が遠くてなかなか通えない…なんてことになったらもったいないですよね。
自宅から事業所までの距離やかかる時間、電車のルートなどを調べ、自分が通い続けられるところを選ぶようにしましょう。
長い方だと、2年間事業所に通う方もいらっしゃるかもしれません。
長期間通う場所だということを念頭におき、事業所を決めていきましょう。
今回は就労移行支援の利用に向いていない方や、就労移行支援を上手く活用するポイントについて解説を行いました。
もし、これから利用しようと思っているけど自分に合っているか知りたいという方や、現在利用しているけれど合っていない気がする、そもそも自分は就労移行支援の利用に向いていないかもしれない…と悩まれている方がいらっしゃったら、ぜひ職員に相談してみてください。
どんなところが向いていないと感じるのか?どうしたら意味のある就労移行支援の利用ができるのか?本当に向いていないのであれば、次のステップはどうしていったらいいのか?きっと、親身になって相談に乗ってくれます。
職員に相談することで解決できることもあるかと思いますので、ひとりで思い悩まずに話してみてくださいね。
当日、ご相談者様が指定されたお時間に、
堺筋本町校・本町校・梅田校・大阪校、いずれかお近くの方をご選択の上、御越しください。
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