今回は、就労移行支援を休みがちになってしまう方や、休んでしまうのではないかと不安を感じている方に向けて、どのような理由で休みがちになってしまうのかや、休む際の注意点、対処法などをお伝えしていきます。
日々支援現場に携わる中で、就労移行支援事業所を休みがちになってしまう方の理由としては以下のようなケースがあります。
特に、就労移行支援を変更されて来られた方の退所理由や「休みがちになってしまった」という、方に聞いたところ上記の5つが大半を占めていました。
就労移行支援に通う前や通い始めたときには、「休みがちになる」ことを想像していなかった方が多いのではないでしょうか?むしろ、「これから就職を目指して頑張って通所していこう!」と思っている方の方が多いと思います。
それではなぜ、上記の5つの理由から休みがちになってしまうのか?休んでしまう理由をひとつひとつ見てみましょう。
まずは、休みがちになってしまう方の最も多い理由として「体調や体力、メンタル不調」の問題があります。
まだ、就労移行支援に通うことができるほど体調が回復していない方は、せっかく利用を始めても体調を崩しがちでなかなか通所できないということが多くなります。
また、季節的な要因も含め体力が著しく低下している方も、通所が難しく休みがちになってしまうことがあります。
最初は体力が落ちていたけど、少しずつ通ううちに体力がつき継続して通えるようになる方ももちろんいらっしゃいます。
しかし、逆に体力の問題で通所が途絶えてしまう方もいらっしゃいます。
これには、物理的な要因も理由として挙げられ…
例えば、極端に遠い事業所を選んで利用している、何度も乗り換えのあるルートでしか行けない場所にある事業所に通っている、というような方は余計に体力を使うことになります。
自分の今の体力で通所できる事業所を選ぶことも大切ですね。
スタッフ、他の利用者とのトラブルも休みがちになってしまう理由のひとつに挙げられます。
事業所内でトラブルがあると、やはり通いにくくなってしまいますよね。
スタッフとのトラブルの例には、自分の話をわかってもらえない、否定される、相談したくてもできないなどが挙げられます。
このようなときは、担当のスタッフ以外に相談したり、サービス管理責任者に相談するなどしてみましょう。直接言うのが難しい…という方は、例えば、メールで相談したり、日報などを毎日記入する事業所であれば、その日報に記入してみるのもよいでしょう。
利用者とのトラブルの例には、話したくないときに何度も話しかけられた、連絡先の交換をしたくないのに何度も持ち掛けられた、なんとなく合わない利用者がいるなどが挙げられます。このようなことがあれば、我慢せずスタッフに相談するようにしましょう。
就労移行支援に通う意味があるのか…?と疑問に思うことがあると、通所する意義がわからなくなり、休みがちになってしまうことがあります。
就職活動がうまくいかなかったり、自分の納得のいく結果が得られない場合など理由は様々ですが
どうして自分は就労移行支援を利用するのか?そのためにどんなことを頑張っていきたいのかなどは、就労移行支援を利用する前に考えておいた方がよいですね。
利用を始めたはいいものの、プログラムの内容が想像と違った…自分の求めているレベルではなかった…ということもあるでしょう。
せっかくやりたいことがあって利用を始めたのにも関わらず、内容に満足いかなければ、通所しても意味がないように感じ、休みがちになってしまうこともあるかと思います。
どのようなプログラムで進んでいくのか、どのような教材を使っているのか、どのようなスタッフが教えてくれるのかなどは、見学や体験時に確認しておきましょう。
「年齢」「性別」「疾患」「特性」など様々な要因で事業所の雰囲気に馴染めないというのも休みがちになってしまう理由のひとつですね。
事業所の雰囲気もとても大切です。
Aさんにとっては良い雰囲気の事業所だけど、Bさんにとっては合わない事業所、ということもあるでしょう。
雰囲気に馴染めなければ、だんだん通うのが嫌になってきてしまいます。雰囲気は事業所によって多種多様なので、こちらも見学や体験時に確認するようにしましょう。
言い出しにくい、申し訳ないなど「気にされてしまう方」や「一度休んで通いづらくなってしまう」など、とても重く考えてしまう方がいらっしゃいます。
就労移行支援を休むことが悪いわけではありません。
予定や家庭の事情で休まなければならないときもあるでしょうし、体調を考慮し休んだ方がよいときもあります。どのような理由で休むのはアリなのか、また、休むときの伝え方をお伝えします。
就労移行支援はできるだけ休まず毎日通所する方が、リズムがつきますし就職にも有利になるでしょう。
しかし、時には休む必要が出てくることもあるかと思います。
では、休む際の理由としては、どのようなものがあるのでしょうか?
通院や役所へ行く用事があったり、他にも色々な予定が入ることがあると思います。
就労移行支援より優先しなければならない予定が入ったときは、休むことも致し方ないでしょう。
もしも、予定が半日であれば、半日だけは頑張って就労移行支援に通うのもいいですね。
どうしても就労移行支援事業所に通所できない体調であれば、無理をせずに休むことも大切です。
もちろん休んでばかりになるのは避けたいところですが、無理をしすぎて余計にしんどくなってしまわないように、自分自身で体調を管理していきましょう。
毎日通所した方がよいことはわかっているけど、どうしても休む必要が出てくることもありますよね。
では、事業所を休むときには、どんなことに注意して休むのがよいのでしょうか?
まず、休むときには必ず連絡を入れるようにしましょう。無断欠席してしまうと、スタッフも心配します。お仕事となったときにも、無断欠勤はよくないことですよね。
また、欠席や遅刻の連絡は何分前までに、と決められている就労移行支援事業所もあるようですので、時間にも気をつけるようにしましょう。
休む理由を伝えるときに嘘をつくことは避けるのが良いです。
就労移行支援事業所のスタッフは、利用される方の体調や状況に気を配り場合によっては「ご本人より早く変化に気づき」いち早く対策を行うよに心がけています。
ですから、休みにくい理由であったとしても「休むときは正直にその理由を伝えましょう。」
また、休みの連絡を入れる際には、「休みます」の一言だけではなく、なぜ休むのか理由を添えるようにしましょう。体調不良の際には、どのように体調が悪いのかを伝えるのがベストです。
では、事業所を休むときの伝え方ですが、まず、あらかじめ連絡手段が電話なのかメールなのか?などは、利用開始時に確認しておくとスムーズです。
休むときには、休む旨と休む理由を伝えるようにしましょう。
休むことだけ伝えたらいいんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、就労移行支援は一般就労を目指して訓練を行う場所ですから、就職後を想定し
企業に勤めたときに、「休みます」の一言だけで欠勤するのはあまりないですよね。
休みの連絡も、就職後を想定した「報連相」の練習だと思って行ってみてください。
体調不良で休む際には、どう体調が悪いかも伝えていただくと支援者側も少し安心かと思います。
一口に体調不良と言っても色々なものがあり「頭痛、腹痛、眠れなくてフラフラする、不安感が強くてしんどい…」など。
スタッフに自分の体調をわかってもらうためにも、どのように体調が悪いのかは伝えておく事が通い続けるためや関係構築には重要です。
就労移行支援を休みがちになってしまう…という方の中には、もしかすると就労移行支援の利用が向いていない方もいらっしゃるかもしれません。
就労移行支援という障害福祉サービスが本当に自分に向いているのか、改めて考えてみるのもよいでしょう。
就労移行支援に向いていない方には、このような方がいらっしゃいます。
上記の三つに当てはまる方は、もしかしたら就労移行支援の利用段階ではない?利用しても活用できない「就労移行支援の利用に向いてない人」かもしれません。
就労移行支援の利用については、ある程度体調が回復してから利用するのが望ましいです。
まだ休養が必要な時期にある方が無理をして通所をしてしまうとかえって病状が悪化する可能性もあります。
体調が優れない日が多いと、通所したくてもできないという状況になるでしょう。
しっかり利用をしていくためにも、ある程度体調が回復してから就労移行支援の利用を検討してみることを推奨します。
自分で体調の判断がつかないという方は、一度主治医に相談してみてください。
就労移行支援は専門スクールとは異なりますので、スキルの習得だけを目的に利用を始めると、想像と違うな、と感じて通所する意味がわからなくなり、就労移行支援を休むことにも繋がってしまいます。
このような方も、就労移行支援を休みがちになってしまう可能性があります。
本人に就職したいという気持ちがなければ、就労移行支援に通う目的がなく、モチベーションも維持できません。
モチベーションが維持できなければ、就労移行支援に通いたいとも思えなくなり、通所が途絶えてしまう可能性が高いです。
就労移行支援は2年間という期間が決まっているため、就職したいと思っていない方は、自分が働きたいと思ったときに就労移行支援の利用を始めていくのがよいでしょう。
では、逆に就労移行支援に向いている方は、どんな方でしょうか。
上記に当てはまる方は、就労移行支援の利用が向いていると言えるでしょう。
就労移行支援を利用すると、スタッフと一緒になぜ上手くいかないのかを考えながら、対策を練っていくことができます。
障害を持ちながら働く際には、自分の障害と上手く付き合うことが大切です。
どのような症状があるのか、どんなときにしんどくなるのか、しんどくなったときの対処法、また、障害特性について考え、自分に向いている仕事を見つけることも重要です。
ひとりで考えていくのが難しい方は、就労移行支援のスタッフの力を借りながら、自分のことを知っていくのがよいでしょう。
就職が不安な方にも就労移行支援はおすすめです。
就労移行支援で色々な経験を積みながら、自信をつけ、就職を目指していきましょう。
事業所選びや通所日数など、就職までに継続するためのポイントは様々ですが就労移行支援を利用して就職を目指すのであれば、やはり継続して通い続けたいですよね。
では、一体どうしたら継続することができるのか?続けて通っていくためのポイントを解説いたします。
自分に合わない事業所を選んでしまっては、続けて通うことが難しくなってしまいます。
そうならないように、適切な事業所探しを行いましょう。
適切な事業所探しのポイントとしては、
などが挙げられます。
上記のようなポイントを意識しながら、事業所の見学や体験に行きましょう。
通所時間や通所日数を調整することも、通い続けるためには大切です。
初めから長すぎる時間通所したり、毎日通所すると、急な生活リズムの変化に体調や体力がついていかないかもしれません。
最初は短時間、一週間の内数日で様子を見ながら、徐々に時間や日数を増やしていくのがおすすめです。
また、通所を続ける中で、どうしても体調が優れなくなる時期がきてしまうかもしれません。
そのようなときにも、スタッフに相談して通所の時間や日数を調整し、無理なく通える範囲で利用を続けていきましょう。
休むか休まず通所するか、迷うときもあると思います。
体調が悪いときは無理せず休むことも必要ですが、休んでばかりでは一般就労を目指すことが難しいのも事実です。
自分の中で、「こんな風に体調が悪くなったら休む」、「このくらいのしんどさなら頑張って通所してみる」など、基準を決めておくのもよいでしょう。
精神的なつらさは数値で出すことができないので、基準を決めるのも難しいかもしれませんが、そのようなときはスタッフと相談しながら決めていくのもよいですね。
生活習慣を改善することで、通所ができるようになることもあります。例えば、前日遅くまで起きていたら次の日しんどくて通所できないということもあるでしょう。規則正しい生活を心がけ、事業所に通所できるようにしていきましょう。
上記のことに気をつけるだけでも、生活は変わってくると思います。
どうしたら自分の生活習慣が改善できるかわからないという方は、主治医やスタッフに相談してみてください。
今の自分の課題や、改善策を一緒に考えていきましょう。
生活習慣の改善は就職するためにも必要です。生活リズムを整えていきましょう。
ここまで就労移行支援事業所への通所を継続するためにはどうしたらよいかをお伝えしてきましたが、就労移行支援を辞めるという判断をした方がよいときもあるかもしれません。
では、どのようなときに就労移行支援を辞めると判断したらよいのでしょうか?
この項では、就労移行支援をやめた方が良いかもしれないパターンについてご紹介していきます。
みなさんは通所している事業所の就職実績をご存じですか?
就職実績とは、事業所を利用した方の中でどのくらいの方が就職できたのかという実績のことです。
実際に多くの就職者がいる事業所の方が、利用する側としては安心ですよね。
就職実績がホームページで公開されていない、聞いたことがないという方は、スタッフに確認してみるのがよいかもしれません。
もちろん就職実績がない事業所が一概に悪い事業所と言えるわけではありません。しかし、もしも就職実績がほぼない事業所に通っており、なおかつサービスに満足いっていない場合は、事業所の変更を検討してみてもよいのかもしれませんね。
就労移行支援は事業所によりプログラムの内容が様々です。そのため、自分に合った事業所を見つけることがとても大切です。
もちろん就労移行支援に通いながらそれを見つけていくのもよいでしょう。
しかし、事前にある程度希望を考えておく方が、自分に合った事業所を探しやすいです。
ホームページ上だけではわからないこともありますので、実際に体験をして、どんなことをしていくのか実感していただくのがよいかと思います。
何度かお伝えしてきましたが、事業所の雰囲気も大切です。
自分に合う雰囲気の事業所を選んでいきましょう。
雰囲気を掴むためには、実際に見学や体験に行くことが重要です。
通所している方の障害種別、年齢、性別など、雰囲気が自分に合いそうか見ていきましょう。
就労移行支援について、よくあるQ&Aをまとめてみました。これってどうなんだろう?と疑問に思うことも多くあるかと思いますので、みなさまの疑問にお答えいたします。
就労移行支援を辞める一番のデメリットは、やはりひとりで活動を行わなければならなくなるというところではないでしょうか。
何か資格の勉強をするにしても、就職活動をするにしても、今まであったサポートがなくなってしまうわけですから、ひとりで活動をしていくことが心配だ、という方は、就労移行支援の利用を継続した方がよいでしょう。
また、最近では、就労支援施設を利用している方を積極的に採用する企業も増えてきています。
しっかり事業所に通えているという実績があったり、支援者がいるという点で安心感を持たれる企業も多くあります。
就労移行支援を辞めるかどうか悩んでいる方は、スタッフと一度相談して、一緒にメリットやデメリットを考えていくのもよいかもしれません。
就労移行支援に毎日通う必要があるのかどうかですが、必ず毎日通わなければならないという決まりはありません。
しかし、フルタイムで就職を希望される方は、いずれ週5日働くことになるわけですから、週5日通所することを目指すことが望ましいです。
就職活動時期には、企業から就労移行支援の通所実績を聞かれることがありますので、そのときのためにもできるだけ通所できる日は通っていただくのがよいと思われます。
また、通所日数が少ないと、事業所で行っているプログラムの内容を十分にこなすことができない可能性もあります。
就労移行支援を利用する際のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
ひとつひとつ見ていきましょう。
スキル面ですぐに一般就労するのが不安な方でも、就労移行支援で訓練に取り組むことにより、就職に必要・有利になるスキルを身につけていくことができます。
スタッフや他の利用者とコミュニケーションをとる中で、対人スキルを身につけていくこともできます。
就労移行支援に継続して通所をすることで、一定のリズムがつくようになります。
ずっと家にいて活動するのではなく、朝決まった時間に起きて決まった時間に家を出る練習をするだけでも、生活は変わります。
通所する場所があるということは、大きなメリットになるでしょう。
就労には、自分のことをよく知ることが重要です。
自分はどんなことが得意なのか知ることで、強みを活かした就労ができるようになります。また、課題を知ることで、どのように対策していけばよいのか、企業への配慮事項としての伝え方を考えていくことができます。
就職できても、続けていけるのかというところに不安を感じておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
就労移行支援を利用して就職すると、必ず半年間は定着支援を受けることができます。
職場での困りごとの相談に応じてくれるため、安心して働くことができます。
就労移行支援を利用する際のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
こちらもひとつひとつ見ていきましょう。
就労移行支援を利用している間は、アルバイトなど短時間の勤務であっても原則行うことができません。
そのため、収入がない状態になってしまいます。
傷病手当、失業保険、障害年金などを上手く使って、経済面での不安を軽減していきましょう。
就労移行支援は、ほとんどの方が無料で利用されています。
しかし、前年度の収入によっては、利用料が発生する可能性もあります。
自分は利用料がかかるのかわからないという方は、お住まいの自治体の障害福祉課などに問い合わせてみるのがよいかもしれません。
デメリットの部分でも触れましたが、就労移行支援に通っている間は、原則アルバイトは禁止されています。
アルバイトであっても就労になるため、就労移行支援を利用する必要がないよね、とみなされてしまいます。
ただし、ご本人の状況や自治体によっては例外的にアルバイトが認められるケースもありますので、どうしてもアルバイトをする必要があるという方は、就労移行支援のスタッフやお住まいの自治体の障害福祉課に相談してみましょう。
今回は、就労移行支援を休みがちになってしまう理由やその対策について解説を行いました。
就労移行支援を休みがちになってしまう理由は、主に
となります。
就労移行支援は2年間という期間が決まっている障害福祉サービスです。
2年間を有効に使うためにも、ぜひ、ご自身に合った事業所を見つけて上手に事業所を利用していただければと思います。
当日、ご相談者様が指定されたお時間に、
堺筋本町校・本町校・梅田校・大阪校、いずれかお近くの方をご選択の上、御越しください。
実際の見学会・説明会の風景です。
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